お疲れ様です。
ていたく(@teitaku_garden)です。
今回は米国REIT系ETF「RWR」について「IYR」「XLRE」と比較しながらご紹介したいと思います。
SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF『RWR』
RWRとは
運用会社:ステートストリート
設定日:2001年4月27日
資産総額:約 17億ドル*2021/4時点
株価:100 ドル*2021/4時点
分配金利回り:3.23%*2020年の年間配当実績より算出
経費率:0.25%
「RWR」は米国内の不動産セクターに投資を行う上場投資信託(ETF)です。主な投資先は各業種別の不動産投資信託(REIT)になります。
RWRの一番の魅力は高い分配金利回りです。直近では大規模な金融緩和による株価上昇により、利回りは低下していますが、長期的に見ればインカムゲイン狙いの投資対象として検討の余地はあると考えています。また、株式、不動産、コモディティ、キャッシュなどのアセットクラスを分散するという意味でも私はポートフォリオの一部に組み入れています。
*現物の不動産投資に比べるとREITの性質は株式に類似します。また、REITは〇〇ショックの際に株式以上に下落する傾向があり注意が必要です。
『RWR』『IYR』『XLRE』の比較
「RWR」への投資を検討するために、
同じ米国REIT ETFの「IYR」「XLRE」と比較してみました。
基本情報
RWR | IYR | XLRE | |
設定日 | 2001年4月 | 2000年6月 | 2015年10月 |
資産総額 | 17億ドル | 65億ドル | 28億ドル |
経費率 | 0.25% | 0.42% | 0.12% |
組入銘柄数 | 114 | 82 | 29 |
株価 | 100ドル | 98ドル | 42ドル |
分配金利回り | 3.23% | 2.24% | 2.73% |
*2021年4月時点のデータを参照
「IYR」は資産総額が多く歴史のあるですが、経費率も0.42%と高く、分配金利回りも一番低い為、投資対象としては微妙です。
「XLRE」は経費率が0.12%と低く、分配金利回りもそこそこあるので魅力的ですが、組入銘柄が29とかなり少ない為、構成比率の偏りが激しいETFになります。組入銘柄 上位10銘柄だけで全体の62%を占めます。(XLREはS&P500採用銘柄の中から不動産セクターへ集中投資するETFです。)
「RWR」は分配金利回りが直近3.23%と一番高く、組入銘柄は114で分散もきいています。個人的には分配金利回り重視の為、3つのETFを比較した場合は「RWR」が最も魅力的だと思います。
業種別構成比率
【RWR】構成比率
工業用/オフィス不動産投資信託 | 32.46% |
住宅用不動産投資信託 | 21.28% |
小売 | 15.25% |
ヘルスケア関連 | 11.24% |
倉庫 | 8.91% |
分散型 | 6.31% |
ホテル | 4.55% |
「RWR」は工業/オフィスREITと住宅REITで約半数を占めます。小売系が15%と少し高い比率なのが気になります。
【IYR】構成比率
専門不動産投資信託 | 38.52% |
住宅用不動産投資信託 | 14.46% |
工業不動産投資信託 | 10.36% |
ヘルスケア不動産投資信託 | 8.85% |
店舗用不動産投資信託 | 8.48% |
オフィス不動産投資信託 | 6.66% |
抵当不動産投資信託 | 2.95% |
不動産サービス | 2.81% |
Research & Consulting Services | 2.78% |
各種不動産投信(REIT) | 2.65% |
ホテル・宿泊施設不動産投資信託 | 0.93% |
不動産開発 | 0.37% |
キャッシュ、デリバティブ等 | 0.17% |
「IYR」は専門REIT(インフラREIT)の比率が高くなっています。RWRと比べると構成比率が偏っている印象です。
【XLRE】構成比率
REIT | 96.89% |
不動産管理・開発 | 3.11% |
「XLRE」はS&P500採用銘柄の中で不動産管理および開発、不動産投資信託(モーゲージREITを除く)へ投資を行っています。具体的な銘柄はこちらを参照してください。
分配金推移
【RWR】2002年~2020年の分配金推移

RWRの分配金推移はリーマンショック付近(2009年~2010年)で大きく落ち込み、その後回復傾向にあります。やはりREITは景気に左右されやすいですね。
2002年~2020年の分配金アベレージは2.81ドルです。
【IYR】2001年~2020年の分配金推移

IYRの分配金推移もリーマンショック付近で大きく下落しています。またコロナショック時(2020年)もRWRに比べて分配金の下落幅が大きい印象です。
2001年~2020年の分配金アベレージは2.56ドルです。
【XLRE】2016年~2020年の分配金推移

XLREは歴史が浅くデータが少ないですが、2016年以降はほぼ横ばいです。組入銘柄がS&P500に採用される大企業ばかりなので安定した分配金になっている印象です。
2016年~2020年の分配金アベレージは1.17ドルです。
トータルリターン
「RWR」「IYR」「XLRE」の配当込みのトータルリターンを比較してみます。

緑:RWR 青:IYR 黄:XLRE
比較期間はXLREの設定日である2015年10月8日~2021年4月23日です。
結果はXLREの圧勝です。ここだけ見ると、XLREに投資した方が良いという判断になりますが、グラフは比較期間によって見え方が変わります。
例えばRWRの設定日である2001年4月27日~2021年4月23日を比較してみましょう。
*XLREは比較できないので代わりにSPYを比較対象としました。

緑:RWR 青:IYR 黄:SPY
上記のグラフを見るとRWRが一番 長期的なパフォーマンスが良いことが分かります。SPY(S&P500)より良い成績だったことは以外でした。
まとめ
今回は米国REIT ETF「RWR」についてご紹介しました。
「RWR」は「IYR」や「XLRE」に比べて
・長期的なパフォーマンスが良い
・分配金利回りが高い傾向
ということが分かりました。
しかし、RWRは資産規模としては17億ドル程度と他のREIT ETFと比較してもあまり大きくはありません。また経費率も0.25%と決して安くはありません。ただ日本の大手ネット証券で購入できる米国REIT系ETFの中ではとてもバランスの取れた投資対象だと思います。
*本当はバンガードが運用する「VNQ」や「VNQI」を購入したいですが、SBI証券、楽天証券、マネックス証券では取り扱いがありません。。。
現状では米国REIT系ETFへ投資する際は「RWR」を購入していますが、もっと良いETFが日本のネット証券で購入できるようになれば積極的にスイッチしていきたいと思います。
今後も様々な投資対象を検証していきたいと思います。
以上、参考になれば嬉しいです。
米国ETFポートフォリオの運用状況(毎月)はこちらの記事に書いています。

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では では
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